未来の自分に、先に払っておく

「iDeCo」と書かれたノート風のアイキャッチ画像(投資の基礎知識・円コインマーク)

 子ども達へ

 第11通の手紙で見せた「所得控除の積み木」を覚えていますか。
 あの積み木の中に、一つだけ自分の意思で積み増せるブロックがありました。
 iDeCo(イデコ)です。
 今日はその話をします。

目次

iDeCoとは何か

 iDeCoは、自分専用の年金を自分で作る制度です。
 毎月決めた金額を積み立てて、投資信託などで運用し、原則60歳まで引き出せません。

 私は毎月20,000円を積み立てています。
 少し前まで、公務員が積み立てられる上限は12,000円と決められていました。
 それが制度改正で20,000円に上がったとき、私は迷わず上限いっぱいまで増やしました。

 理由は単純で、積み立てた掛金は全額が所得控除になるからです。
 私の場合、年間24万円の掛金に対して、所得税と住民税を合わせて約3割、年7万円ほどの税金が軽くなります。
 株価が上がるか下がるかに関係なく、積み立てた瞬間にほぼ確定する効果です。
 投資の世界に「確実」はほとんどありませんが、これは例外的にそれに近い。

 正直に言えば、完全なタダではありません。
 iDeCoは受け取るときに税金の計算対象になります。
 年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象になります。
 ただし、負担が実際にどれくらいになるかは、退職金の額や受け取り方によって変わります。
 それでも私は、「今の税金を消す」制度ではなく、「今の税金を、未来のもっと有利な条件に付け替える」制度だと理解しています。

正直に言うと、私は貯められない人間でした

 ここで、少し恥ずかしい告白をします。

 私はあなた達ぐらいの年齢のとき——正直なところ30歳を過ぎるくらいまで——貯金がほとんどありませんでした。
 お小遣いも給料も、もらったらもらった分だけ、すぐに全部使っていました。
 (あなた達は、ちゃんと考えて使おうね)

 私にはお兄ちゃんがいますが、お兄ちゃんはお金を貯めておくのが上手でした。
 同じ家で育っても、こうも違うものかと思います。

 そんな私が変わったのは、FIREを目指すと決めてからです。
 支出を減らして投資に回す必要が出てきた。
 そこで気づいたことがあります。
 公務員は副業でお金を稼ぐことができません。
 でも、稼ぐことより、無駄な出費をなくして支出を減らすことのほうが、はるかに簡単で、即効性があるのです。

 そのために私が選んだ方法が、順番を変えることでした。
 最初に必要な分——私の場合は投資や貯蓄に回すお金——を強制的に確保して、残りのお金で生活する。
 もらった分だけ使っていた昔の私とは、逆の順番です。
 (もちろん、何かあったときに支払えるお金や生活費は、別に準備しておくこと)

引き出せないことは、欠点ではない

 こう考えると、iDeCoの「60歳まで引き出せない」という性質の見え方が変わってきます。

 貯めるのが上手な人には、不便な縛りかもしれません。
 でも、もらった分だけ使ってしまう私のような人間には、手が届かない場所に自動で積んでくれる仕組みこそが最強の味方です。
 引き出せないという不便さは、未来の自分を、今の自分から守ってくれる鍵なのです。

 最後に、一つ質問です。
 あなたは、生活費を先に確保して、残った分を投資や貯蓄に回しますか?
 それとも、投資や貯蓄の分を先に確保して、残りのお金で生活しますか?

 どちらを選ぶかで、10年後の景色は変わります。
 昔の私は前者でした。
 今の私は後者です。

父より 

― 未来への手紙 第13通 ―
これが今のところ、最新の手紙です。
手紙の一覧はじめての方へ


――― この記事について ―――
制度の確認日:2026年7月29日
参考にした公式情報:iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)「iDeCoのメリット」
本文中の金額:令和8年度の我が家の実際の記録です。
掛金の上限や税制は変わることがあります。確認日以降の変更は反映されていない場合があります。詳しい仕組みや始め方は、別の手紙で改めて書く予定です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次